ソーラーパネルで発電した電気は、親機内に設置したキャパシタ(蓄電池)に充電されて、夜間等の電源として利用しています。今回、1,985回の送信中、812回、親機の充電状況をSigfox基地局に送信しています。以下に、送信別の充電状況(V)を集計したグラフを示します。2Vから4.5Vまで、充電と放電を繰り返しています。
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親機には、電源確保のため、ソーラーパネル(太陽光発電)を設置してあります。温度と同様に、親機からSigfox基地局までの送信は、キャパシタの充電状況と合わせて、交互に送信しています。発電状況の送信は、全1,985回中、652回送信しています。夜間の0Vから、日中の明るい時間帯を中心に5V以上の範囲となっています。下記に発電状況の送信データの集計結果を示します。発電中では、4.5V~5V未満が最も多く送信しています。
MMS初号機では、姿勢の他に、温度(密閉容器内の温度で気温とは異なります)、ソーラーパネルの発電量、キャパシタの充電量をそれぞれ交互に送信しています。今日は、送信された温度及び、試験設置場所の最も近い熊谷地方気象台に設置してあるアメダスの気温データと比較してみました。
まず、MMS初号機の温度ですが、1,985回送信のうち、952回温度が送信されました。数値の分布は、8.1度から43.5度となりました。一方、同時間帯の熊谷地方気象台の気温(1時間間隔データ)は、8.0度から32.5度の分布となりました。密閉容器の影響により、温度が上昇していますが、その後の改良(通気性を確保するためのベント設置等)により、温度上昇は抑えられています(今後報告します)。下記グラフの横軸は、温度(気温)、縦軸は送信(観測)回数です。 親機内のArduino Uno互換のSigfox通信モジュール付Arduino Shieldには、加速度センサ(NXP MMA8451Q)、温湿度・気圧センサ(BOSCH BME280)が標準搭載されています。子機からの3軸加速度センサーからのデータと同様に指数化して、Sigfox基地局(ゲートウェイ)に送信しています。試験期間内の送信データを集計した結果が以下のグラフです。8.6から9.5の数値が送信されていますが、8.9が最も多く送信されています。子機同様に、ほぼ同じ姿勢を保っていたと言えます。
子機には3軸加速度センサーが内臓されていて、X方向、Y方向、Z方向の3軸の加速度の値を定期的に無線送信しています。これにより、強風による倒木、伐採、地面崩落等による樹木倒木を検出することができます。子機から送られてきた情報を親機で-10から10に指数化して送信しています。下記に、試験期間(1,985回)内での親機受信の変換数値及び回数を示しています。
6.2から10.6と若干の幅(数値の揺らぎは誤差、今後センサー等の調整で改良予定)はありますが、ほぼ同じ姿勢を保ったままであるとの情報を送信しているといえます。なお、子機からは一定の間隔で親機に送信していることから、データ無しのケースは、親機の受信漏れが原因として考えられます。 埼玉県行田市内に設置したMMS初号機の試験結果(データ)についてご紹介します。
設置期間:平成30年5月4日14:19設置後送信開始~6月9日16:07回収時最終送信 設置時間:36日1時間48分(865時間48分)、連続稼働確認。 Sigfox基地局(ゲートウェイ)の親機からの受信回数:1,985回 Sigfox基地局及びAWSIoTの受信漏れ:0回 受信(送信)間隔:ソーラーパネルの順調な発電状況下での親機からの送信間隔12分(下記 グラフでは約10分と記載)が最も短い間隔(Sigfoxへの1日当たりの最大送信回数が140回に制限されているため)となり、発電や充電状況等に応じて、送信間隔をプログラムにより調整。下記の通り、約10分間隔が最も多くなっており、次いで、発電がピークを迎える直前(日の出後~昼前)と日の入り後数時間(充電状況により夜中まで続くときあり)の約30分間隔となっています。受信(送信)漏れが1回も無かったことが、大きな成果でした。 一昨日に、下記のパンフレットを、各都道府県森林組合連合会様等に郵送させて頂きました。森林組合様、森林所有者様等のご協力を頂き、現在開発中のMMSを実際の森林内に試験設置して、地形、森林状況、電波状況等による設置可能性の検討、設置後の定時通信状況の確認、さらに、可視化したデータを見ていただいた上での感想(効果等)を把握できればと考えております。このMMS設置は、森林組合様、森林所有者様の皆様にお役に立てると期待しております。なお、パンフレットのPDFファイル、紙版をご希望の場合は、問い合わせ先までお願い致します。
江戸時代に始まった留山制度について、平成25年森林・林業白書のコラムとして、「国の宝は山也。山の衰えは則ち国の衰えなり。」(江戸時代の林政論)が掲載されています。
それによると、江戸時代には、森林の荒廃による森林資源の枯渇や洪水等の深刻化を受け、領主階級のための「林政論」が唱えられ、実際の政策にも大きな影響を与えたとあり、江戸時代初期の秋田藩家老渋江(政光(しぶえまさみつ)は、その遺訓で森林保全の重要性を主著し、秋田藩では比較的早い時期に留山(とめやま)制度を導入したとあります。また、儒学者の熊沢蕃山(くまざわばんざん)は岡山藩で、同じく儒学者の山鹿素行(やまがそこう)の林政論は、尾張藩木曾(きそ)や弘前(ひろさき)藩等の林政に影響を与えたとあります。これらの考え方が、我が国の森林・林業政策の源流であると言えるとまとめています。 昨日、木曽ヒノキを尾張藩が山守を設置して守ったと書きましたが、林野庁中部森林管理局のホームページによると、留山という制度をつくり、それが全国の各藩の模範となったようです。留山とは、ヒノキの優良林分を小地域で指定し、住民の立ち入りを厳重に禁止した保護林のことで、森林資源の備蓄を目的に行われたものだそうです。また、1708年には、木曽谷全域にわたり貴重な木材である、ヒノキ、サワラ、アスナロ、コウヤマキの四木の伐採が禁止され、さらに1728年にネズコを加えた五木が地元民の伐採禁止木となり、この停止木(ちょうじぼく)が、後の木曽五木の由来となっているようです。
なお、本丸御殿は、木曽ヒノキも素晴らしいですが、天井や襖などの装飾も大変見事です。 森林IoTからちょっと話題がそれますが、すべての施設が完成し、今年の6月8日から公開された名古屋城本丸御殿を見学してきました。詳細は以下のホームページに書かれていますが、尾張藩主の住居かつ藩の政庁として慶長20年(1615年)、徳川家康の命によって建てられ、昭和5年には、天守閣とともに国宝第1号に指定されましたが、昭和20年の名古屋空襲により建物の大部分が焼失しました。そして、総工費150億円、約10年の歳月を経て復元されました。
https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/honmarugoten/01_about/index.html 本丸御殿の木材は、木曽ヒノキがふんだんに利用されていて、御殿内で放映されていたVTRでその詳細がわかります。下記が同じVTRです。木曽ヒノキは尾張藩が山守という職を配置して大切に管理してきたそうで、その森林があったからこそ、復元できたともいえます。 https://www.youtube.com/watch?v=Tpl2fDbrp0g |
Author井内正直 Archives
July 2023
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