先月31日の朝日新聞朝刊に、「木材の「盗伐「」相次ぐ」と題した記事が掲載されました。林野庁が3月にまとめた「無断伐採に係る市町村等への相談等の件数」を受けての記事のようです。
盗伐の背景として、①スギ丸太価格の上昇、②海外での需要が増加して、国産材の輸出量が10年前の2.8倍となっていること、③再生可能エネルギーの固定価格買取制度により、昨年9月までの約5年間に全国で82か所の木質バイオマス発電所ができ、木材需要が増加した点を挙げています。温暖な九州南部が全国に先立って伐採期を迎えていることから、これら地域で盗伐が最初に起き、森林ジャーナリストの田中淳夫氏は、「無断伐採は、今後、全国の山で起こる可能性がある」と警告しています。 また、田中氏は、「被害に遭わないためには、自分の山に興味を持って情報を集めるしかない」と呼びかけています。当協会が開発している「見ま森さま(MMS)」を自分の山に設置することができれば、山から遠く離れていいても、インターネット経由でパソコンやスマートフォン等で森林情報(倒れているか等)を集めることが可能です。盗伐被害防止対策として、ぜひご活用を検討ください。盗伐に関しては、以下の通り、NHKニュースでも取り上げられています。
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8月5日の毎日新聞に、C.W.ニコル氏執筆の記事として、「山火事の脅威はすぐそこに」が掲載されています。この記事の中で、「国内の植林されたスギ林の大半は火災の危険がある。放置されているため、枝と枝とが重なりあり林床にまで日差しが届かない。その結果、多くの枝が立ち枯れてしまう。乾いて茶色くなったスギの小枝は非常によく燃え、たき火の際には格好の火種となる。」と指摘していて、乾燥した状態が続けば、山火事の危険が高まると述べています。昨日のブログの通り、我が国でも頻繁に森林火災は発生しているので、早期発見、初期消火が求められます。
国外では、米国カリフォルニア州、欧州、アフリカ等における森林火災情報を見かけますが、我が国での発生状況を調べてみました。
林野庁のホームページによると、「最近5年間(平成24年~平成28年)の平均でみますと、1年間に約1.4千件発生し、焼失面積は約7百ヘクタール、損害額は約4.4億円となっています。 これを1日あたりにすると、全国で毎日約4件の山火事が発生し、約2ヘクタールの森林が燃え、1.2百万円の損害が生じていることになります。」とあり、かなり多く発生していることがわかります。また、下記に、平成26~28年までの10ヘクタール(ha)以上の火災面積を種別に示しました。ここ3年間では民有林の面積は減少傾向ですが、まだまだ大規模な火災も毎年発生していることがわかります。 今朝未明、北海道で震度7の地震が発生しました。土砂災害も多数発生しています。地震のご被害、心よりお見舞いを申し上げます。一日も早いご復旧をお祈りいたします。
さて、昨日はインドネシアで頻発する泥炭地での森林火災を感知するセンサーシステムをご紹介しましたが、スペインでは、Libeliumという会社が、ワイヤレスセンサネットワークを用いた森林火災を検知するシステムを開発・提供しています。詳細は、以下のサイトをご覧ください。 http://www.libelium.com/wireless_sensor_networks_to_detec_forest_fires/ センサー部分では、温度、相対湿度、一酸化炭素、二酸化炭素を測定し、送信します。これは、「Waspmote」と呼ばれ、かなり省電力(7μA)で、120以上のセンサーから選択可能、16タイプの通信手段(Sigfoxも入ってます)を選ぶことができるようです。下記に、上記ホームページから抜粋した写真を添付します。「見ま森さま(MMS)」での親機に該当します。 株式会社自然資源計画代表取締役の栗原さんのところに、インドネシアからインターンとして来ている学生さんに、インドネシアで森林火災の監視にIoTを活用していると聞きましたので、こちらでも、ちょっとネットで調べてみました。
すると、現在はIndonesiaのUniversitas Palangka Raya所属(Researcher in CIMTROP)のRony Teguh氏が、北海道大学情報科学研究科(システム情報科学専攻)での博士論文として、「Study on Monitoring System for Forest Fires Based on Wireless Sensor Networks」を見つけました。以下に、公開されている学位論文審査要旨を示します。https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/57258/2/Rony_Teguh_review.pdf この研究では、無線センサーネットワーク(WSN: wireless sensor network)を、泥炭地が広がる森林中にランダムに配置して、内臓された温度センサーにより異常温度を感知して、その後、無人飛行機(UAV: unmanned aerial vehicle)を飛ばして最終確認をするシステムとなっています。インターネットに接続されているかどうかについては、これから本文を詳細に読んでみます。 |
Author井内正直 Archives
March 2025
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