今朝から雪が降り始め、千葉県船橋市では少し積もり始めました。
また、本協会の一員として活動に協力して頂いた松村晴夫様が急逝されました。これまでのご協力に感謝いたしますとともに、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
0 Comments
昨年のクリスマス頃から、厳しい冬型の気象が続き、埼玉県行田市内に設置していあるMMS3機でも、最低気温がかなり低くなっています。
昨日の1月10日は、この冬一番の冷え込みとなり、行田市から最も近い熊谷のアメダスも最低気温が-4.1℃、行田市設置MMSの周辺土地利用が類似している久喜のアメダスでも同様に-4.1℃を観測しています。 下記に昨年7月からのMMSの親機で観測された最低気温(なお、3機のMMS親機からの温度センサーからの情報は、気温が-20~5度の場合は、2.8度刻み、5~50度の場合は0.8度刻みとしてあります)を示します。 このように、低い温度でもデータを無事送信していることが確認できます。 昨年は、MMS(森林IoT:見ま森さま)の子機及び親機に内蔵された各種センサー情報を、京セラコミュニケーションシステム株式会社が提供する「Sigfox」という通信を利用して、インターネットにデータを転送し、自宅PC等で監視するシステム開発を実施してきました。
お陰様で、埼玉県行田市内の屋敷林に試験運用で設置した3機のMMSについては、これまで報告してきました通り、夏ごろから長期運用に成功しています。 Sigfoxは、低価格・低消費電力・長距離伝送を特長としたグローバルIoTネットワークで、下記に示しました通り、昨年12月3日に、利用可能エリアが人口カバー率90%まで拡大したとの発表があり、今年夏ごろには97%まで拡大するとの発表が京セラコミュニケーションシステムからありました。 一方、森林は居住地から遠く離れているところが多いため、Sigfoxではカバーできない森林が多くあります。 そこで、本年は、Sigfoxのカバー範囲外でも活用可能なMMSの研究開発を進めていきたいと考えています。 平成30年版情報通信白書によると、「少子高齢化やそれに伴う人口減少は、我が国経済・社会に大きな影響を与える可能性があり、この課題に対して、近年更なる発展を遂げているICTにより人・モノ・組織・地域などを「つなげる」ことで、デジタルトランスフォーメーションが進展し、課題を解決するための新たな価値創造を図り、持続的成長を目指すことが考えられる」とあります。
我が国の森林に目を向けますと、間伐等の管理が十分に実施されていない人工林の増加が土砂災害等につながるとして課題となっています。都市住民が増えたことや、森林を所有している人が都市に移り住むことにより、森林との関係性が希薄になったことも原因の一つかと思われます。 グーグルマップ等での航空写真や人工衛星画像の公開により、森林を上空から見ることが容易にできるようになりましたが、当然ながら見ている森林が十分に管理されているのかどうか、十分に成長しているかどうかはわかりません。 そこで、森林と人々をIoTでつなげることができれば、森林への関心が高まり、国民全体での森林を管理していく機運が高まるのではないかと考え、森林IoT「見ま森さま(MMS)」の研究開発、行田市内屋敷林での試験運用を続けています。来年も引き続き、よろしくお願い申し上げます。(下記グラフは、行田市内M宅設置MMSデータ取得状況です) 7月23日から試験運用を開始した埼玉県行田市内のM宅屋敷林(単木)に設置した「見ま森さま(MMS)」ですが、ほぼ5か月にわたり、試験運用を続けることができました。
途中、子機の電池交換を1回しましたが、親機の太陽光発電による自立型電源による稼働は、途中、一度も故障することなく、5か月間継続しています。 夏場の高温や、台風接近による強風等にも負けず、毎日、Sigfox⇒インターネット⇒クラウド経由にて、データを送り続けています。 来年も引き続き、試験運用を続ける予定です。よろしくお願いします。 NPO法人 森づくりフォーラム発行の『森づくりフォーラム通信』No.196、2018年12月27日号で、「ブラジル「サッカー場100万面」の森林、1年で消失」のニュースが掲載されていました。http://news.livedoor.com/article/detail/15658885/
記事には「ブラジル政府の特別調査機関によると、森林破壊は2017年8月~2018年7月に前年同期比で14%近く拡大し、7900平方キロの面積の森林が消失したという。」とあります。 また、2016年に公表された「世界森林資源評価(FRA)2015」(第2版)では、 2010-2015年において森林面積の大きな正味の減少が見られた上位10か国で、ブラジルが1位となっており、森林減少が長期間にわたり続いていることがわかります。下記は、1990年と2015年を比較した森林面積の正味の増減(単位:1,000ha/年)を示したものです(FRA2015第2版より引用)。 一方、中国やインド等では、植林により増加しているようです。 林野庁から公表された平成29年木質バイオマスエネルギー利用動向調査結果ですが、同様の形式で平成27年、平成28年も調査が実施されています。
そこで、木材チップの由来別利用量の「間伐材・林地残材等」の全国総計を見ますと、約117万トン(絶乾)、約192万トン(絶乾)、そして、約263万トン(絶乾)と大幅に増加していることがわかります。 各都道府県で見てみますと、下記に示しますように、北海道、岩手、大分、宮崎、鹿児島が利用量も多く、増加量も多い傾向が見られます。 FITでの間伐材等由来の木質バイオマスによる発電における全国の新規認定容量の約138万キロワット(平成30年6月末時点)に対して、新規導入容量が約105万キロワットであることから、まだ間伐材・林地残材等の木材チップの利用量は増える可能性があります。 埼玉県行田市内の2宅の屋敷林内に設置してあります森林IoT(見ま森さま:MMS)ですが、今月15,16日以来の冷え込みで、M宅MMS及びA宅林縁部MMSについては、氷点下まで気温が下がったと見込まれます。
ちなみに、最も近い熊谷のアメダスは、7時に-2.2℃、MMS設置の土地利用に似ている久喜では、同時刻に-3.1℃を観測しています。 全国でも、気温が0度未満まで下がった所(冬日)は570ほどで9日ぶりの多さだそうす。(下記、気象庁ホームページより、12/25午前7時アメダス気温マップから引用) 年末には、かなり強い寒波が来るようです。3台のMMSが順調に試験運用できることを期待します。 平成30年12月20日に、林野庁から、「平成29年木質バイオマスエネルギー利用動向調査」の確報版が公表されました。http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/riyou/181220.html
再生可能エネルギーの固定価格買取制度による木質バイオマス発電からの買取量の増加に伴い、最も買取価格の高い「間伐等由来の木質バイオマス」に該当する「間伐材・林地残材等に由来する木質バイオマス」は、263万絶乾トンとなり、平成28年から37.4%増加しています。 その他の木質バイオマスの木質ペレットもH28比75.2%増、薪が同27.5%増、木粉(おが粉)が同25.8%となっています。 下記に、平成29年にエネルギーとして利用された木質バイオマスの種類別利用割合を示しました。なお、木材チップは絶乾トン割合で、それ以外はトン割合となります。買取価格が最も高い「間伐材・林地残材等に由来する木質バイオマス」は木材チップに該当することもあり、圧倒的に木材チップが多く占めています。 |
Author井内正直 Archives
May 2024
Categories |