平成30年12月20日に、林野庁から、「平成29年木質バイオマスエネルギー利用動向調査」の確報版が公表されました。http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/riyou/181220.html
再生可能エネルギーの固定価格買取制度による木質バイオマス発電からの買取量の増加に伴い、最も買取価格の高い「間伐等由来の木質バイオマス」に該当する「間伐材・林地残材等に由来する木質バイオマス」は、263万絶乾トンとなり、平成28年から37.4%増加しています。 その他の木質バイオマスの木質ペレットもH28比75.2%増、薪が同27.5%増、木粉(おが粉)が同25.8%となっています。 下記に、平成29年にエネルギーとして利用された木質バイオマスの種類別利用割合を示しました。なお、木材チップは絶乾トン割合で、それ以外はトン割合となります。買取価格が最も高い「間伐材・林地残材等に由来する木質バイオマス」は木材チップに該当することもあり、圧倒的に木材チップが多く占めています。
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埼玉県行田市内A宅の屋敷林設置MMSの親機内には気圧センサーも格納されています。こちらについても、近傍の熊谷の気象データと比較しました。
気象データは、平均気圧の情報が入手できましたので、それと、MMSの林縁部設置と林内部設置の親機内気圧センサーの最低気圧と最高気圧のデータをグラフにしました。下記にそのグラフを示します。 熊谷で観測された気圧の平均値は、MMSの最低気圧と似たデータとなっています。MMSの最高気圧については、若干、林内部設置MMSが、林縁部設置MMSより低い日も見られますが、ほぼ同じ傾向と思われます。 行田市内で試験運用しているMMSの親機内には、湿度センサーが設置されています。一般的に森林内の湿度は、樹木の葉からの水分蒸発により、林外より高いといわれています。4%から13%高いという調査例もあるようです。下記に、行田市内A宅の林内と林縁部に設置したMMSの最低湿度と、熊谷に設置している気象庁アメダスの最小相対湿度を比較したグラフを示します。
同じ観測方法ではないため、あくまで参考としての比較ですが、熊谷の気象データの振れ幅が広いのに対して、MMS2か所のデータは振れ幅が小さいようです。また、若干ですが、林縁部より林内部設置MMSの最低湿度が高くなっています。葉から水分蒸発の影響があるのかもしれません。 低照度対応MMSは、7/28から行田市内A宅の屋敷林にて、林縁部南向きと林内西向きの2か所に設置してあります。林内と林縁との違いについて、格納庫内の温度センサーから送信されてきたデータを比較しました。参考として、最も近傍の気象庁熊谷での気象データとも比較しました。
下記のグラフに、林縁と林内の設置したMMSの最低温度・最高温度、ならびに熊谷での最低気温と最高気温を示しました。 林縁に設置したMMSでは、最高温度が、林内の最高温度及び熊谷の最高気温より高い日が見られます。南向きに設置してあるため、太陽光により格納庫内温度が上昇したと考えられます。 一方、林内のMMSは、日陰になっている可能性が高く、熊谷の気象データとほぼ同じ数値となっている日が多く見られます。 最新のLPWA通信技術「Sigfox」を利用して、屋外の過酷な環境に設置した森林IoT機器(MMS:見ま森さま)で感知した各種センサーデータ(傾き、温度、気圧等)の継続受信が可能かどうか、また、太陽光発電による自立運転が可能かどうか等を検証するために、行田市内でMMSの試験運用を継続しています。
センサーデータの送信に太陽光発電からの電力を利用していることから、太陽光発電が十分に機能している場合には、送信頻度を高め、そうでない場合には、送信頻度を低く設定してあります。そこで、行田市に最も近い熊谷設置アメダス情報の日照時間との関連についてみてみました。下記に、低照度対応の太陽光発電に変更したA宅の2つのMMSの送信回数と日照時間をグラフにしました。 林縁樹木に設置したMMSでは、日照時間との関連性は高く、両者の相関係数は0.85となりました。但し、曇りでも十分に発電し、送信していることがわかります。林内樹木に設置したMMSでも、日照時間が少ない日でも十分に発電し、送信していますが、林縁樹木設置に対して、やや送信回数が少ない日がみられます。雲量が多いと林内は暗くなる等の影響かもしれません。 7月から試験運用してきました行田市内A宅屋敷林内設置MMS2機ですが、10月末に低照度対応に変更してから約1か月が経過しましたので、状況について報告致します。なお、同じ行田市内M宅のMMS(7月から同じ機器で継続運用)につきましても、順調に稼働しています。
また、MMSで使用しています通信網の「Sigfox」ですが、携帯電波(セルラー)より通信料金が非常に安いことが特徴で、徐々に通信可能地域を拡大していまして、11月現在で、室内利用・3局の人口カバー率が約67%、1局だと約82%となっています。森林地域への拡大を期待しています。 さて、A宅設置のMMS2機の通信回数を下記のグラフに示します。A宅では、屋敷林の林内に西向きに設置、及び林縁に南向きの2つのMMSを設置してあります。 林縁MMSの送信回数の1日平均送信回数は、40.7回、最高が51回、最低が14回となっています。林内MMSは、1日平均送信が26.5回、最高が39回、最低が8回となっています。 昨日、社会福祉法人福祉楽団が主催する「1k竣工記念収穫祭」に行ってきました。
1kとは、栗源第一薪炭供給所(写真左上)のことで、施設の周囲にある森林からスギ、広葉樹などを切り出して、施設まで運搬し、まき割(写真右上)、乾燥、結束等の作業をする施設です。ここでは、障害者の方が作業の一部を担当しており、トークイベントで施設長は、実施して良かったこととして、「身体を動かすこと、季節を感じて活動することの大切さ」「手作業で地道に行うものは効率アップ」「作業分解することで仕事をシェア」をお話されていました。 薪は販売するとともに、施設内に国産の薪ボイラーが設置されていて(写真左下)、施設内の給湯に利用されています。また、薪ストーブも多数設置してありました。 また、この施設の用材としてもスギを工夫して利用しているとの報告もありました(写真右下)。 昨日、森林資源の調査年次ごとの民有林人工林(個人や企業等が所有する私有林の他、市町村や都道府県が所有する公有林で地域森林計画の対象森林の内、スギやヒノキ等の人工林が該当)の蓄積量についてグラフで示しました。平成29年では、11齢級と12齢級の蓄積量が多くなっています。それでは、今後、蓄積量はどうなるのでしょうか?
下記グラフの上に、これまで3回(H19.24.29)の同じ民有林人工林の面積がどう変化したのかを計算した結果を示します。例えば、H19年の9齢級だった民有林人工林が、H29に11齢級になった際に、その面積がどれくらい変化したのかを示しています。H19年に9齢級だった民有林人工林が、それから10年の間に伐採されて新たに植林されると、その分、H29の11齢級は少なくなります。 これを見ますと、10⇒12齢級までは、かなり面積が減少しますが、11⇒13齢級から一気に減少が少なくなります。この傾向が今後も続くと仮定すると、H29の11齢級と12齢級の民有林人工林の面積が一気に減少することはないでしょう。そのため、成長にともない蓄積量は増加することが予想されます。 ただし、下記グラフの下に示しますように、民有林人工林の面積当たりの蓄積の増加量は、7⇒9齢級になるころから減少し始めますので、蓄積量の伸びは若齢級の時より低下するものと考えられます。 先月10月16日に林野庁から公表された「森林資源の現況(平成29年3月31日現在)」に関して、10月26日に人工林全体の齢級別蓄積量を調査年次(H19,24,29)ごとにまとめてグラフにしてものをご紹介しました。人工林には国有林も含まれますので、それを除いた民有林の人工林の調査年次ごとの齢級別蓄積量をグラフにしてみました。
例えば、H19に5齢級だった民有林人工林だった森林は、H29にはすべて伐採されない限り、7齢級となります。下記のグラフを見ますと、H19では9.10齢級がピークでしたが、H24では、10.11齢級、H29では11.12齢級となっています。 10/26のブログでも書きましたが、民有林人工林だけで見てみても、長伐期施業の増加、間伐等の管理が不十分な森林が増加していると考えられます。 11月11日に、NPO法人ちば森づくりの会が主催する「秋の里山観察・チェーンソー体験会」に参加してきました。里山観察は親子連れがほとんどでした。チェーンソー体験は、私を含めて4名の男性が参加しました。
ちば森づくりの会の皆さんからご指導頂き、なんとか丸太を切ることができました。その様子はちば森づくりの会のホームページで紹介されています。 https://www.chiba-moridukuri.org/ |
Author井内正直 Archives
December 2024
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